【Vol.1】社会の危機から考える子どもたちの新しい学びの場とコミュニティ

本イベントでは、子どもの居場所に対して取り組んできたゲストをお迎えして、皆さんと地域コミュニティの存在意義について考えます。現在、新型コロナウイルスがさまざまな形で私たちに影響を及ぼすなかで、活動の現状をゲストのお二人にうかがいました。


1人目は、福島県でフリースクールや子ども食堂を立ち上げてきた、特定非営利活動法人寺子屋方丈舎の理事長である江川和弥さんです。 

 

ーー福島県内の子ども食堂の現状はいかがですか?

 

江川和弥氏(以下、江川):コロナの影響があり、稼働している子ども食堂は4~5割です。会津若松市は感染者がゼロなので、開放しています。今後、感染症の問題は二次、三次と出てきて閉めなくてはいけないときはやってくるかもしれないので、大丈夫な間は開けておきたいんです。

 

ーー半分くらいは稼働していないんですね。

 

江川:そうなんです。福島県で子ども食堂が必要なのは、複合的な問題からです。(震災による)避難や、ひとり親家庭の問題、経済的な問題があります。子ども食堂では子どもも、親もサポートするのが大事な役割だと思っています。コロナの影響があったとしても、その役割は果たしたい。

 

ーー子ども食堂の展望を教えてください。

 

江川:3年後までに90箇所に増やしたいと目標を設定しています。

 

福島県には、小学校が大体440校あります。その半分ほどの数の子ども食堂ができれば、どの子も通えるようになると考えているんです。ただ、担い手としてのボランティアがいなくて厳しいという課題はあります。

 

ーーフリースクールの現状は?

 

江川:変化への適応が難しく、フリースクールに来る子どもは増えています。震災の時は小学生、中学生が多かったのですが、コロナに関しては年代が広がって高校生も多いです。

 

ーーオンラインでできることは?

 

江川:オンラインでは伝わらないこともあるけれども、しゃべり相手がいることは大事ですよね。

アフターコロナの学び方を考えると、オンラインもひとつのツールになるとは思っています。とはいえ、デバイスを持っていない子どもがまだ多いです。


2人目のゲストは、岐阜県で活動する平塚弥生さんです。「ちょいみせキッチン」というシェアキッチンを立ち上げ、料理や食事を通じて地域のコミュニティづくりをしています。

 

ーー自粛が始まってからはどのような活動をしていますか?

 

平塚弥生氏(以下、平塚):リアルで会うのは難しいので、参加者に事前に材料を送って、オンラインで同じものを作って食べるイベントを開催しました。

 

東海地区はモーニング文化があって、午前中に喫茶店でコーヒーを頼むとパンなどがついてきます。自粛中は喫茶店に行けないので、パンとコーヒーを一緒に食べようというイベントも行いました。

 

オンラインでそれぞれが用意して食べると、味覚や嗅覚といった身体的な感覚の共有ができないんですよね。同じものを食べることが大事だと思っています。

 

ーー今シェアキッチンは?

 

平塚:イベントはできませんが、シェアキッチン自体は稼働し始めました。菓子製造業の許可をとっているので、シェアキッチンで作ったものをインターネットを通じて販売する人が使ったりしています。

 

ーー普段、子どもが来ることはありますか?

 

平塚:子どもはあまり来ませんが、利用者が子育て中の女性であることが多いです。お子さんに関して悩んでいるお母さんが来て、相談されることはあります。

 

ーーお留守番キッチンという取り組みもされていたそうですね。

 

平塚:学校の一斉休校措置がとられましたが、親は働かなければいけない。大垣市は初期から感染者が増えて、学童も閉鎖になりました。仕事を休めないお母さんたちがお困りだと思うので、仕事の間、子どもを見守る活動をしました。

 

昼ごはんを一緒に作って食べて、夕方にお母さんが迎えに来るまで、宿題をやったりゲームをやったりする取り組みです。スタッフはボランティアが集まってくれました。

 

ーー地域コミュニティができているんですね。

 

平塚:今まではお菓子を作って販売したいという女性が多かったのですが、そこに限定せずに地域の方が集まるようになりました。

 

 

 

お二人に登壇いただくオンラインイベントは6/25(木) 19:00から開催です。皆様のご参加お待ちしております。


テキスト:泉友果子