【Vol.4】伝統と革新で東北夏祭りを新しい未来に繋ぐ職人魂

本イベントでは鳴海屋紙商事株式会社の鳴海幸一郎さんと、弘前ねぷた参加団体協議会の中川俊一さんをお迎えします。

 

鳴海屋紙商事株式会社は「仙台七夕まつり」の七夕飾りを、120年以上制作している会社です。イベント開催日の2020年8月6日(木)は、本来であれば「仙台七夕まつり」の初日でした。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、全国で祭り、イベントが中止を余儀なくされています。例年は200万人以上の人が訪れる「仙台七夕まつり」も、戦後初めての中止となりました。今、現地の様子はどうなっているのでしょう。鳴海屋紙商事株式会社代表取締役社長の数井道憲さんと、部長でイベント登壇者の鳴海幸一郎さんにお話を聞きました。


いつもとは違うやり方で、伝統ある祭りを継承する

 

――「仙台七夕まつり」が中止になって、今はどのような状況ですか?

 

数井道憲氏(以下、数井):4月10日に中止することが正式に決まって、七夕飾りの制作もストップしました。そのままなくなるかと思っていましたが、6月くらいから商店街・協賛会の注文をいただけるようになったんです。例年に比べると3分の1くらいですね。

 

―― イベントが中止になっても、注文があるんですね。

 

鳴海幸一郎氏(以下、鳴海):「仙台七夕まつり」は、例年は3~5メートルの大物の飾りを皆さんがかきわけていくようなイベントです。コロナ禍ということで、そういったことは完全に中止になりました。

 

先ほど社長が申しましたように、中止が決まって一度作業をストップしましたが、「何かしなくては」と考えるようになりました。店先に飾って楽しんでいただけるような1メートルサイズの飾りから、アーケード商店街や百貨店の飾りまで、せめて皆さんのためになればと置いています。また、地元のプロスポーツと協力して応援七夕の飾りもやっていきます。

 

その様子などがテレビで取り上げられて、見た人が呼応して、少しずつ盛り上がっています。いろいろと五月雨式でやっているので、7月は東奔西走していますが、8月1日にはひと通り揃えたいと思っています。

 

数井:もともと、七夕は願いを込めるというお祭りです。新型コロナウイルスの終息を願うという意味も込めて、何らかのかたちで伝統ある「仙台七夕まつり」を継続するべきだという話が各方面から来ているという状況です。

 

――来年は震災から10年目でもあります。来年の開催に向けてどのような思いですか?

 

鳴海:最近のドラマのように「倍返しだ!」というのがキーワードです(笑)。「仙台七夕まつり」は弊社のアイデンティティーのひとつです。今年はなくなるということで、SNSでも応援をいただきました。ベテランの作り手たちも「来年は派手にやりたいよね」と話しています。

 

震災後、子どもたちによる「8万羽の鶴飾り」(※)という初めての試みがありました。それが来年でちょうど10回目を迎えるので、いい意味での(今年に対する)反動があらわれるのではないかと思っています。

 

※震災からの復興を願って、宮城県内の子どもたちが8万以上の七夕飾りを折り、飾っている


全国の七夕まつりの地域の人や若者と話したい

 

――オンラインイベントでどのような人と繋がりを持ちたいですか?

 

鳴海:藩祖伊達政宗公時代から約450年、伝統として続いている行事を次世代に繋げたいという思いがあります。震災後、8万羽の鶴をきっかけに、初めて子どもたちの力を借りて開催した祭りでもあります。次世代の子どもたちにも届けたいなと。そしてもともとは、仙台の商人の心意気で戦後の復活を果たしました。伝統継承に向けて、商店主の心意気を復活させたいと思っています。

 

また、七夕まつりは全国の66か所で開催されているともいわれています。各地域の方たちと「どう継続していったらいいだろう」という話をしたいですね。七夕まつりは「動と静」でいえば「静」の祭りなので、一度かかわると内に秘めた思いを理解して大切さがわかるのですが、まずはかかわるきっかけがほしいと思っています。

 

数井:若い人の意見も面白いですね。伝統のお祭りとあって、七夕飾りも突飛なものより、過去から継承されている単純な飾りみたいなものが多くあります。それを若い人はどう思っているのか。斬新な意見を聞けたら、きっと来年に繋げられるかと思います。我々も新しい部分を取り入れるために聞けるといいですね。

 

鳴海さんにご登壇いただくオンラインイベントは、8/6(木) 19:00から開催です。当日は鳴海さんに加え、弘前ねぷた参加団体協議会の中川俊一さんをお迎えし、開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。


テキスト:泉友果子