~ これまで捨てられていた、わかめの「茎」を商品に~
国内でわかめの生産量がトップである岩手県。今回の登壇者であるバンザイ・ファクトリーの高橋和良さんは、三陸の名産であるわかめの「茎」の部分が食べずに捨てられていることに気づきます。今回のワークショップでは、未利用の資源を商品として生まれ変わらせてきた髙橋さんのインプットトークを聞き、商品を首都圏にどのように訴求していったらよいかを共に考えました。
震災後、高橋さんはゆかりのあった岩手県陸前高田市に移住し、地域資源を活用した商品を研究・開発することを決意しました。「大量生産・大量販売・低価格ではなく、ストーリー性のあるものは何か」と考えていたところ、三陸の名産であるわかめの太茎が食べずに捨てられていることに気づきます。その後6年間もの研究開発を経て、2018年に未利用だった茎を活用した「三陸椿物語 三陸わかめの大黒柱」の開発に成功しました。
6年という月日のなかでは、美味しいだけでなく健康に配慮するために、精錬塩や白砂糖、添加物の使用に代わる椿茶煮製法も開発しました。ほかにも、大船渡市の花である椿を使ったお茶や、岩手県産の木材を使ったスマホケースなどを商品化しています。
試食としてわかめの太茎の煮物である「大黒柱」と、「椿茶」が提供されました
~ 首都圏で三陸のわかめが認知されるには? ~
テーブルダイアログでは「三陸わかめ 宣伝会議」と題し、「首都圏において三陸わかめのブランド価値を高める方法」をグループごとに話し合いました。あるグループが提案したのは「ワカメという言葉を出さない戦略」。英語やフランス語を使った商品名でテレビショッピングをやってみたり、アンテナショップで販売をしたり、病院や学校の食事で提供したりして、食べてみてから「わかめだったのか」と思わせる作戦です。他には、「お酒のおつまみやジャムにしてみる」「セレブ向けに高級食材として価格を高く設定し、パッケージも今の親しみやすいものから洗練されたかっこいいものにする」「健康食として定期購入商品として販売する」「シェフとコラボする」といったアイディアが発表されました。
登壇者の髙橋氏は発表に対して、「これだけたくさんのアイディアが出てきて驚いた。出来ることがたくさんある」と意気込みを語り、イベントは幕を閉じました。
テキスト:泉友果子