[vol.16] 学生×農業×地域おこし!—町の名物スイートポテトの継承からはじまる、新しい農村ツーリズムとまちづくり

~ 復旧から復興、そして地域づくりへ~

 宮城県仙台市若林区で震災復興・地域支援のために活動を行っている、学生団体 ReRootsが発足するきっかけとなったのは、被災者となりながらもボランティアとして活動した学生たちが現場で感じていた問題がきっかけでした。被災者目線の活動をすることや、地域の住民と共に地域を作ることを理念としたReRootsの活動を通じて、本イベントでは現在の地域づくりについて考えました。


 インプットトークでは、一般社団法人ReRootsの広瀬さんが登壇。ReRootsが活動の対象にしたのは、宮城県仙台市宮城野区から若林区にかけての農地です。農地ががれきだらけでは生活を取り戻せないので、農業支援の必要性を発見したと話します。まずはがれきを撤去し、農業を再開するための復旧支援、そして農家が生活を再建できるまでの復興支援を目標にかかげ、約3年間で3万人のボランティアを受け入れて、若林の地は回復しました。

 

 しかし、農家の後継者不足や地域の高齢化によるコミュニティ維持の難しさなどの問題は依然としてあり、その解決のひとつとして始めたのが、学生やボランティアが野菜をつくる「さつまいもプロジェクト」。さつまいもを育てる体験をするだけでなくスイートポテトをつくっており、これから店舗をオープンする予定です。

 

一般社団法人ReRoots>>

 


試食として提供されたのは、紅あずまと安納芋でできたスイートポテト。皮まで食べられる

 ミニアイデアソンでは、「ReRootsの取り組みを発展させるためのスイートポテトの活用方法を考える」と題し、(1)スイートポテトの提供方法(2)スイートポテトの商品PR(3)ReRootsが地域でどんな発展を遂げるのか、をそれぞれのグループで話し合いました。あるグループは、「ぜひ芋らしさを残したまま商品展開をしてほしい」と話し、「いろいろな芋でスイートポテトをつくるのはどうか。また、見た目は芋らしく石焼き芋のように売ってみる。移動販売もできるし、詰め合わせにしてギフトにもできる」と発表。ほかのグループからは、「他の業種や、企業などとコラボレーションして飲食店での食事や機内食、宇宙食などとして出す」「商品に作り手の写真やストーリーを添える」といったアイデアが共有されました。


 ロゴを考案して発表したグループも

 

 

 発表に対して広瀬さんは「現実路線で考えていたが、大胆な発想を聞けてヒントが生まれた」と意気込みを語りました。「スイートポテトについてぜひ辛口の意見を聞きたい」と広瀬さんは話していましたが、参加者からの評判は上々。若林区の顔になる日も近いかもしれません。


テキスト:泉友果子